第9章 来る
「やっぱり目が腫れた…。それに最近、逢坂くんにつられて晩ごはんいっぱい食べるから太った気がする…」
朝、鏡を覗いて私は嘆く。
「大丈夫だよ。可愛い」
ちょっと丸くなった私の頬を指でぷにぷにして彼が言う。
「逢坂くんの大丈夫は当てにならない」
私は頬を膨らます。
…
今朝も一緒に登校する。
私は逢坂くんの後をついて歩く。
2人でいるとき、たまに茜ちゃんに会う。
茜ちゃんのほうが気をつかってくれてるみたいで、遠巻きに軽く挨拶するだけになった。
逢坂くんもニッコリ軽く挨拶するだけ。
逢坂くんは…それだけでいいの…?
私ならそんなので満足出来ないよ。
逢坂くんは私に
「君はどうしたい?」
って聞いてくれた。
私は…
本当はどうしたいの…?
…