第9章 来る
「嫌だ」
彼が吐き捨てる。
「どうして? 茜ちゃんも行くんだよ。如月くんの相手は私がするから。
中学一緒だし、私、如月くんならしゃべれるよ」
私はニッコリ笑う。
「君は如月斗真が好きなのか?」
不機嫌そうに彼がにらむ。
「えっ…。いや、違うよ。話の流れで…」
「もしかして…! 君の中学のときのバカな元カレって…」
疑いの目で彼が私を見る。
「違うよ! 如月くんはそんな人じゃないよ」
「どうして如月の肩を持つんだよ?」
「そっそんなつもりじゃ…」
「とにかく断っておいてくれよ!」
そう言って、逢坂くんは教室に戻っていった。
なんか…怒らせちゃった…?
がっかり…。
…
茜ちゃんにそのことを伝えたら、茜ちゃんも如月くんに
「余計なことに首突っ込むな」
って怒られたらしい。
男の子って難しいね…。
…
昼休み、自分の席でウトウトしてるとき。
ん? 逢坂くんからLINE…。
『ハンバーグ作ってくれるの?』
だって。
すぐ返信。
「うん! いつでも食べに来てね」
『じゃあ今日、部活が終わったら寄るよ』
やった!
帰りにスーパーに買い物行こうっと。