第9章 来る
彼の後について、学校への道を歩く。
唇が少しヒリヒリする。
ベロベロ舐められた後、ティッシュでゴシゴシこすられて、そのままだから。
でも…なんだか少しうれしい。
…
学校が近くなる。
この時間…この道…。
私は彼と少し距離をとる。
「どうしたの? ちゃんとついておいで。まだ足が痛いのか?」
彼に声をかけられる。
「あっ、それは大丈夫なんだけど、えっと…」
逢坂くん、気づかないのかな。
いつも見守ってるだろうに…。
「サキちゃん、逢坂くん。おはよう!」
口ごもってる間に、茜ちゃんに会ってしまった…。
「おはよう…茜ちゃん…。
たまたま! たまたまついさっき、会ったんだ。逢坂くんと、ね?」
私は逢坂くんに同意を求める。
「あっ…。そうなんだ。たまたま…ね」
ちょっとぼんやりしてた逢坂くんがニッコリ笑って同意する。
茜ちゃんに会えて嬉しいんだね。
私たちはそのまま3人で学校に向かう。
…