第6章 泣く
「やっぱりここがいいんだ、サキちゃん」
「ん…」
声を我慢する。
涙がにじんでくる。
「ぐすっ…ぐすん…うっ…」
「どうして泣くの? サキちゃん。初体験の相手が僕では不服?」
指でそっとクリをなでなでしながら、彼が問いかける。
私の身体はビクビク反応する。
「はぁはぁ…やだ…こんなの…嫌…ん…」
「そんなに嫌そうに見えないけどな」
「やだぁ…ぐすぐす…ぐすっ…」
「どうして欲しい?」
「手錠を外して…」
「手錠を外して下さい…って言ってごらん」
「手錠を…あっ! はぁはぁ…んっ…外してぇ…くださぃ…」
彼の指が激しくクリを撫でる。
「もっとちゃんと言って」
「ああん…! 手錠をっ外して…くださいっ…!」
「仕方ないな…ふふ」
ベッドの横に置いたバッグを彼が探る。
そして鍵を取り出してニッコリ微笑む。
「この手錠、なかなかいいね。僕にくれる?」
手錠をいじりながら彼が言う。
「うん…」
私は頷く。
「ふふ、ありがとう」
カチャン…
鍵が開く。
私の手首から手錠を取り去り、彼はそれを自分のバッグにしまう。