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境界の先

第5章 捕まえる


「…手錠?」

「そうだよ。君の手錠だ」

カチャカチャ…

私は手を動かして金属の感触を確かめる。

「や、やだっ…! 外して!」

「鍵がない」

「ショーパンのポケットに入れたから!」

「どれどれ…」

彼が取り去ったショーパンを拾い上げ、ポケットを探る。

「これだね?」

その小さな鍵を取り出して、私の顔の前に差し出し見せつける。

私は、うんうん、と首を縦に振る。

彼はそのままそれを自分のズボンのポケットにしまう。

「えっ…外して…!」

私は彼の目を見てお願いする。

「僕だってお願いしたのに君は外してくれなかっただろ?」

「私は裸なんかにしなかった!」

「たまたま流れでそうなっただけだよ」

彼はベッドの周りをキョロキョロ見渡す。

私が置いた彼のスマホを見つけて拾い上げる。

そして私の身体を横向きにさせる。

恥ずかしくて私は脚をぎゅっと閉じる。
でも手は後ろ手に拘束されてるので、胸は思いっきり放り出したまま。

手で私を押さえたまま、彼は片手でスマホを操作する。

パシャ

…シャッター音

「え…? 写真…撮ったの?
お願い、やめて!」

パシャ…パシャ…

私の言葉を無視して、彼はスマホを構え、シャッターを何回も押す。

私は身をよじって、とりあえずうつぶせになる。

でも彼は私の背中から写真を撮り続ける。

「うっ…ぐすぐす…ぐすん…」

私の目から涙があふれてこぼれる。

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