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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第37章 第二部 プロローグ/プログラム起動


照射された眼鏡の奥の瞳が、眩しそうに細められる。

「な……なんだ君かぁ! 侵入者かスパイかゴーストかと思ったんだぞ!」

「ごめんごめん」

苦笑まじりなマシューに諌められる。

彼はこの研究所に対して、アルフレッドの次くらいに権限を持つ人物だ。

ほっと安心すると同時に、薄青い光源のディスプレイを見る。

ざっと20をこえたディスプレイには、数字や文字が流れていた。

なにかの処理中だろうか。

「君も忘れ物かい?」

「まぁ、そんなところだよ」

「これなにしてるんだい? 仕事は明日にして、帰ってゲームやるんだぞ!」

「またあのヒーローデスマッチのやつ?」

「またってなんだい! しばらく遊んでなかっただろ? いい気分転換になるさ!」

「もう……アルは本当にヒーローが好きだね」

くすくすとマシューが笑う。

屈託のない笑顔はアルがよく知るもので、異変を忘れるくらいのんびりしたものだった。

そんな彼を見て、自然とほほがゆるむ。





――世界会議中に公子が現れた頃から、ときどきマシューがまったく知らない人物に思えることがあった。





たぶん多忙と疲労のせいだと、目の前の彼を見て思う。

やはり気分転換すべきだ、と決意を新たにしていると、

「兄弟、きみは……ヒーローなんだよね?」

改まったように、マシューがそう尋ねた。
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