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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第37章 第二部 プロローグ/プログラム起動


この施設は、アメリカとカナダの政府により異変解決のためにつくられた、極秘施設だ。

出入りは厳しくチェックされているし、忘れものをとりに入れるのはアルフレッドとマシューくらいだ(それでも怒られるが)。

懐中電灯を握るアルフレッドの手に力が入る。

銃は持ちこめないため、身を守るものはなにもない。

ここには国家機密が山ほどある。

もし悪用されでもしたら、どれほどの人々に災厄が降りかかるかわからない。

息をひそめ、静かに近づく。

室内の人物は、こちらに気づいていないようだった。

扉を開けっ放しにしているし、殺気もない。

だが、ここの警備システムをくぐり抜けてきた人物だ。

ゆっくり部屋に近づきながら、頭の中でサイレンがまわりだす。

一瞬のためらいがよぎる。

自分はおとなしくして、外部の助けを呼ぶべきでは?

しかし、ここは“アメリカの研究所”で、彼は“アルフレッド”だった。

だから、彼は部屋の入り口をふさぐように立ち、懐中電灯の光線を侵入者につきつけた。

「誰だっ! ――……って、えぇ!?」

自分のまぬけな声に、

「……やぁ、兄弟」

もっと間の抜けた声が答えた。

そこにいたのは、マシューだった。
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