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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第37章 第二部 プロローグ/プログラム起動


唐突な問いだ、とアルフレッドは首をかしげるも、いつも通り自信に満ちた笑みでこたえる。

「もちろん! マシューの一人や二人、Piece of cakeで守れるヒーローさ!」

「……そっか」

まるで、アルフレッドがそう答えるのをわかっていたかのように。

マシューは小さな声であいづちを打って、目を伏せた。

そしてゆっくりと、顔をあげる。

穏やかな瞳が、アルフレッドを真正面から見つめた。

「ならきっと――大丈夫だね」

突然、すべてのディスプレイが真っ青に染め上げられた。

一瞬にして室内はぼんやりと青い光に満たされる。

ディスプレイを背にしたマシューの金髪が、青い逆光を浴びてきらきら光っている。

その微笑は、すでにアルフレッドの知るものではなく、

「……え」

まるで別人のような、マシューでない誰かのものに変容していて、

『All delete?』

「――Yes」

温度のない機械音声に答えるマシューの声が、最後だった。

ジリリリリリリリリリリリリリリ

けたたましいサイレンが鳴り、すべてのディスプレイが真っ赤に変わる。

ドンッ!

「なんだっ!?」

そう遠くない場所から爆発音が聞こえた。

急激な音の洪水に、耳がキンと痛みを訴える。

なにが起きている!?
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