第2章 どうやら捨てられたようです
ニ「(どうしよう;走り出したのはいいけど、何処に…足も痛いし、地面め悪くてうまく走れない………こんなんで意味があるのかな)」
気が一瞬緩んだ時、後ろから迫ってきたモノに気づけず、逃げ切れずに捕まってしまった。
仰向け状態になったニエ。
ニエの顔が埋まるくらいの大きな手は細い腕を地面に押さえつけていた
「馬鹿な子よ。逃げ切れると思うたか…」
ニ「(…この妖怪の爪も歯もとっても痛そう…私食べられて死ぬんだ…まぁ、邪魔だとしか言われてこなかったし…せめて、痛くなきゃいいなぁ)」
すると突然、ベラベラと話していた妖怪はピタリと黙り、不思議そうな顔をした。
そしてニエの顔を左右に動かし始めた
ニ「…??」
「……お前、面白い目をしてるな。最初は死んだ魚の目かと思うたが光に透かすと、まるで林檎のように赤い。面白いっ。アッハハハ」
ニ「(死んだ魚…)」
妖怪はニエの赤い目を楽しそうに見つめて大きな口を開けて豪快に笑った。そしてニエの体をゆっくり起こした
「なのに…なぜ諦めた目をしておる」
ニ「…それはニエがニエだからです」
「は?」