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恋の罠

第4章 空の想い


~空side~


「…はぁ…心っ…苦しいよ」

俺は今、自宅の部屋で一人泣いている
なぜさっきの光景を見てしまったんだろう
見なければこんなに苦しい思いをしたことはなかったはず
今更、ヨリを戻すことはできないよな
遡ること10分前
拓斗と2人で公園に行ったとき心と
花クンに逢った
久しぶりに見る心は昔と変わらない容姿で
あっという間に俺の心を奪った
なんであの時別れたんだと未だに後悔している
数分話して別れる際、思い切って彼女の腕を引き
連絡先の書いた紙を渡した
花クンがいるから断るかな?と思ったけど
彼女は愛くるしい笑顔でそれを受け取ってくれた
その場から去っていく彼女たちを見つめていると
隣にいる拓斗が話しかけてきた


「…相変わらず可愛かったよなぁ
はぁ、もぅ彼氏できてるよな
街を歩けば注目の的だったよな」
「拓斗…それ以上話さないで…
まだ諦め切れてないんだから」
「俺もだよ!空には渡したくない
いや、たとえ相手が誰でも…だ
あの笑顔だけは反則なんだよなぁ♡」
「…やっぱこのまま離れて暮らすなんてヤダ
もう一度あの頃のように暮らしたい
俺…行ってくる」
「ちょっ…おい!空?…本気かよ
…俺だって心とこのまま離れるなんてヤだよ
なぁ、どうしたらいいんだ?心…」


拓斗がそんなことを思っているとき空は
息を切らしながら走っていた


「どこだよ、心!はぁはぁ…
俺はキミがいないと生きていけないんだ
どこ行って…いた!…えっ?」


しばらく走ってると木の下に若い男女がいた
その2人は先程別れたばかりの心と花だった
声をかけようとする空だったがそれができなかった
目の前で口付けしている姿を見てしまったからだ
その様子を空は涙を流しながら見ていた
そして気づかれないうちにその場を後にし
自宅まで走った
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