第2章 出会い
『とゆーことがありまして、どうしようか、はたまた何もしなくていいのか悩んでおります。どうにかしていただけないでしょうか、飛雄さま』
あれから、学校が終わって、部活して、ダッシュで着替えて、ダッシュで帰って
ダッシュで影山家に来た。
飛雄は好物である、ポークカレー温卵のせをほおばりながら、私の話を聞いている。
影「知るかボゲ、お前が勝手に決めればいいだろ」
『ひどい、飛雄!!』
影「今の言い方、及川さんそっくりでイラついた」
飛雄は、とにかく毒舌。
慣れれば大したことはないが、時々傷つくこともある。
まあ、優しいことは知っているから、なんとも思っていないけど。
『及川先輩って、よくわかんないね』
影「付き合うのか?」
『はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』
うるっせーよ、と飛雄に殴られ、渋々黙る私。
影「いちおー、及川さん本気っぽいし。性格悪いけど」
『いや、最後のところ不安になるからね?怖いって、やめようよ』
ぶつぶつ言っていると、私の前にスプーンが突きつけられた。
飛雄が、差し出しているのだ。
何も言わず、そのスプーンにのったカレーを頬張ると、飛雄は満足そうに私を見る。
影「お前ってやっぱり犬だな」
『…そのカレーにわさび入れてやる』
影「残念だな、それが最後の一口」
にやりと不敵に笑った飛雄の顔が、ものすごくムカついて
そばにあったクッションを顔面狙って投げつける。
ひょい、と簡単によけられたクッションは、フローリングへと落ちてしまった。
『ほんと…どーしよ』
影「断っても無駄だと思うけど」
『どゆこと!?』
影「あの人、しぶといと思う」
明らかに嫌そうな顔をした私を見て、飛雄が大笑いする。
ああ、明日からもこんなバカ騒ぎができますよーに。