第4章 幼馴染からのお願い
及「で、俺に相談してるんだ」
青葉城西バレー部は、毎週月曜はオフ。
だから、月曜の放課後は二人でよく出かけている。
今日は、私のテストが近いので、ス○バで勉強会。
及「いいんじゃないのー?及川さんとデートの時間は減っちゃうけどね」
不機嫌そうにソイラテを飲む及川先輩。
メガネをかけているから、蒸気でメガネが曇っている。
それに、最近少しずつ暑くなってきたのに、わざわざホットを飲むところがいまいちよくわからない。
どうせ、かっこいいとかなんとかっていう理由なんだろうけど。
『メガネ曇ってます』
及「わかってますー」
キャラメルスチーマーのアイスを飲む。
一口ちょうだい、と言った及川先輩は、私の了承もなしに飲んでしまう。
『私は』
及「ん?」
首をかしげるようにこちらをみる及川先輩は、たまらなくかっこいい。
『及川先輩が大好きです』
及「どーしたの、いきなり」
『でも、バスケも大好きです』
だから、少しでもスポーツに触れていたい。
まっすぐ及川先輩を見つめて、私はそう言う。
及川先輩は、小さくため息をつき、そのまま私の頭に大きな手を乗せた。
及「あのね、瑠維ちゃん」
『はい』
及「俺はね、瑠維ちゃんが大好きです」
『はい』
及「普段の瑠維ちゃんも大好きだけど、バスケしてる瑠維ちゃんはね
俺なんか敵わないほどかっこよくて
頭がおかしくなるんじゃないかって思うぐらい好き」
知らなかったでしょ?
と、へらへら笑う及川先輩。
及「及川さんは、トビオちゃんと瑠維ちゃんが仲良くしてるのはちょーっとだけ嫌だけど、
瑠維ちゃんがバスケに戻るためなら、俺は全然我慢できちゃうんです」
だから、好きなようにしなよ。
ああ、もう
何でこの人はこうなんだろう。
私は、テーブルに顔を伏せ、及川先輩に聞こえない声で
『ありがとう』
と呟いた。