第3章 高校生活
『で、なにさ。この瑠維さまの顔を拝みたいのか』
影「今更拝んでも何の御利益もねーし、目が腐る」
うわ、ひどい。ひどい言い草だ。
バカ飛雄ー、頭悪いくせにー
やーい、ばーかばーか。
影「お前さぁ、マネやらねぇ?」
『バーカバー…か?』
ぴたりと自分の行動が止まった。
今は、きっとあほ面。
そんなことよりも
マネージャー?
影「別にいいんだけどよ、しようがせんめぇが。でも、お前の生活リズム見てっと…」
こう、いたたまれなくなって…
私はいつから飛雄ごときに心配されるようになったのでしょうか。
ああ、哀しき現実。
『別に大丈夫ですけどー。遅刻もしてませんし、飛雄と違って成績もちょーいいし、運動神経だっていいですから!!』
あっかんべーと飛雄に舌を出すと、
ぶさいく
と一蹴された。
この野郎、モテるんだぞ。
女には…
影「やりたくなったら体育館来いよ、ぶさいく」
『てめぇ最後の一言余計だ、とびうお!!!!!』
影「誰がトビウオだ!!」
『お前以外にいませんけどー。とびうおくんは頭も悪いのに耳まで遠くなったんですかぁ?あららー、今度は老眼が始まるかも?』
影「瑠維ぶっとばす!!」
その場にあったバレーボールを飛雄は掴み、こちらに投げる。
それを難なくキャッチすると、どや顔で言い放った。
『まあ、インハイぐらいなら見に来てあげてもいいけどー?』
影「一生見にくんな、ぶさいく!」
『あー、及川先輩に言いつけてやる!!』
高校生になっても小学生並みの言い争いは変わらない。
成長しているのか少し不安になるけど、飛雄は今までとは明らかに違う。
顔つきも、何もかも。
今まであった、焦りというものが感じられなくなっている。
また、置いて行かれてるのかな。
及川先輩にも、飛雄にも
私はいつになったら追いつけるんだろう。