第1章 バースデーパーティー
お弁当もあらかた無くなったところでおもむろにバースデーケーキを取り出すと、紫川君の顔付きが変わった。獲物を狙う獣みたいだ。
紫原「穂波ちん、コレ食べていい?」
穂波「ダメです。テツヤ君のバースデーケーキなんだから、テツヤ君が蝋燭消してから8等分に切ります」
それまでおあずけ、というとむぅーとふくれっ面をした。そんな顔してもまだダメです。
緑間「子供ではないのだから我慢するのだよ」
赤司「紫原、待った方が美味しくなるぞ」
黒子「皆僕の誕生日だということを忘れてませんか?」
テツヤ君のボヤキをクスクス笑いながら蝋燭を取り出す。数字の1と6の蝋燭。大きなケーキ型が無くて16本も蝋燭並べられないから代わりに用意したものだ。テツヤ君の正面に16になるように置いて火を点ける。
穂波「ハッピーバースデー‼︎テツヤ君」
桃井「テツ君おめでとう!」
私と桃井さんの声を合図にテツヤ君が蝋燭を吹き消す。皆で拍手すると照れたように笑うテツヤ君。いい誕生日になったね、おめでとうテツヤ君。