第1章 バースデーパーティー
帰り道、テツヤ君が荷物を半分持って送ってくれた。
穂波「楽しかったね、今日」
黒子「そうですね、楽しくてあっという間でした」
そうは言うものの、何か考え込んでいるみたいな雰囲気だ。どうしたんだろう、テツヤ君。
穂波「どうしたの?何か変だよテツヤ君」
黒子「いえ…今日はせっかく誕生日だったのに穂波さんと二人きりになる機会がなくて」
少し申し訳なくて…と謝るテツヤ君。
穂波「なんだそんなこと?私は楽しかったよ皆と一緒で。それにテツヤ君もう一度皆でバスケしたかったんでしょう?」
黒子「はい。でも僕は穂波さんに気を使わせてばかりで…」
穂波「今日はテツヤ君の誕生日でしょう?主役はそんなこと気にしなくていいの」
それでも申し訳なさそうな顔をするテツヤ君に向けて、それに、と続ける。
穂波「テツヤ君の誕生日は来年も再来年もずっとあるんだから、来年からはずっと二人でイチャイチャすればいいよ」
黒子「来年も…祝ってくれますか?」
穂波「当たり前だよ⁈それともテツヤ君は祝わせてくれないつもりだったの?」
黒子「いえ、そんなことありません。穂波さんには来年も再来年もその先もずっと、僕の誕生日を祝ってほしいです」
ようやく笑顔を見せてくれたテツヤ君に小指を差し出す。
穂波「じゃあ約束。誕生日にはずっと一緒だよ」
黒子「はい。ずっと…ずっと一緒です」
絡めた小指にテツヤ君はそっとキスした。さすがにそれはちょっと恥ずかしい。真っ赤になってる私に向けて、テツヤ君はしれっと言う。
黒子「誓いのキスです」
敵わないなぁ、テツヤ君には。ありがとう。大好き。
私の彼氏は今日も最強です。