第1章 バースデーパーティー
気をとりなおしてお茶を配り、皆で食べ始めた。
黄瀬「穂波っちのお弁当超ウマいッス」
紫原「穂波ちんてお菓子だけじゃなくて料理も上手いんだ〜」
青峰「ウメーなコレ。テツお前いつもこのメシ食ってんのか」
緑間「あいかわらず小坂は料理上手なのだよ」
赤司「いい彼女を持ったな黒子」
皆口々に褒めてくれる。お世辞なのはわかってるけど嬉しいよね。でもなんでそこでテツヤ君がドヤ顔してるんだろう。
ふと見ると桃井さんがしょんぼりしてる。さっきから皆が手をつけているのは私のお弁当ばかりだ。せっかく作ってきたのに誰も食べてくれなかったらヘコむよね。桃井さんのお弁当箱の中から玉子焼きのようなナニかを取り出して自分の紙皿に置いた。全体的に焦げてて…なんていうか、炭だ。
穂波「ねえ桃井さん、この玉子焼き多分火加減が強すぎてこんなになっちゃったんだと思うよ」
いきなり話しかけたからか、桃井さんがびっくりしてこっちを見ている。
穂波「玉子焼きはもっと弱火で焼いた方が綺麗にできるよ」
半分に切ると、外側はパリパリの炭だったけど中は半熟だった。コレ、どうやって作ったんだろう…。切った半分を食べてみる。皆が一瞬息を飲んだ。
辛くて甘すぎる。
やたら塩辛い上に甘すぎる。砂糖と塩どれだけ入ってるの⁈しかも胡椒なのか唐辛子なのかわからないけれど謎の辛さに舌が麻痺する。涙目になりながらもなんとか飲み込んだ。