第1章 バースデーパーティー
そろそろテツヤ君が迎えに来てくれる時間だ。荷物を持って鍵をかけ、エレベーターに乗る。下まで降りると見慣れた後ろ姿の隣に金髪の長身が1人いる。アレってもしかして…。
穂波「テツヤ君お待たせ!」
黒子「おはようございます穂波さん。今来たばかりですから大丈夫ですよ」
黄瀬「オハヨーッス穂波っち。てかどんだけ大荷物なんスか」
ああ、やっぱりあのイラッとくるイケメンだ。どうしてここにいるんだろう?
黒子「穂波さんのことですからきっと色々準備してきてくれるだろうと思って荷物持ちを用意しました」
黄瀬「荷物持ちって、黒子っちヒドいッス」
ああ、なんだそういうことなんだ。じゃ早速持ってもらおうかな。
黄瀬「穂波っちもスルーッスか⁉︎て、この荷物超重いんスけど」
穂波「それ、スポドリのペットボトルと温かいお茶の水筒が入ってるから」
黒子「穂波さんのお弁当が食べたいならそれくらい持ってください」
黄瀬「二人共オレの扱いヒドくないッスか?」
キャンキャン吠える仔犬みたいなイケメンを置いて、テツヤ君と二人で歩き出す。後ろからイケメンが置いてかないでほしいッス、とこぼしながらついてきた。
穂波「そういえば今日は桃井さんも来るんでしょう?私がいていいのかな?」
黒子「穂波さんがいてくれないと困ります。それとも穂波さんは僕の誕生日を祝ってくれないんですか?」
穂波「そんなことないよ‼︎テツヤ君の誕生日は全力で祝うよ⁈そうじゃなくてせっかく中学時代の仲間が集まるのに部外者の私がいていいのかなって思っただけ」
実はずっと気になっていたことを聞いてみる。だがテツヤ君はそんなことかという顔で言った。
黒子「問題ありませんよ。むしろ僕は新しい仲間を皆に紹介したいんです。僕の一番大切な人だって」
黄瀬「黒子っちホントベタ惚れッスね」
テツヤくーん嬉しいけど恥ずかしいよ。