第1章 バースデーパーティー
私が食べ終わるのを待って、皆で後片付けをした。ゴミをまとめて捨てに行こうとすると桃井さんが手伝ってくれた。
桃井「小坂さん…あの、さっきはありがとう」
穂波「え?さっきって何?」
桃井「お弁当のこと…」
穂波「お礼を言われるようなことは何もしてないよ?私は確実に勝てるところで勝ちに行っただけ」
桃井「だけど小坂さん…」
穂波「私は桃井さんみたいにバスケで役に立つことはできないから、自分の取り柄を最大限アピールしただけだよ」
テツヤ君に選んでもらう為にね、と笑うと桃井さんは少し寂しそうに笑った。
桃井「だからテツ君は小坂さんのこと選んだのかなぁ…」
穂波「え?何?」
桃井「ううん、なんでもない」
小さな小さな呟きは聞こえていたけど、わざと聞こえないフリをした。
穂波「さ、早く戻らないと皆待ってるよ?審判と得点係りがいないとゲームできないし」
桃井「うん、そうだね」
明るい声を出して桃井さんを誘うと、やっと元の笑顔に戻ってくれた。