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短編集「めくるめく夜」

第3章 ハイキュー 烏養繋心


「お疲れさんっ
そんな疲れた顔してっとふけっぞ」

俺は極力いつも通り。
以前の二人のように笑顔で振る舞った。

前より少し痩せただろうか。
目の下のクマもひどい。忙しくて寝てないのだろう。

何よりも会いたくて仕方なかったが目の前にいる。



放心状態で固まっているがバッグを落とした。


まだ使ってくれていたのか・・・

付き合い始めて一番最初の誕生日に俺が送った安物のバッグだ。

の給料ならもっといいバッグも買えるだろうに・・・


繋心はのそんなところも好きだった。




を目の前にすると言葉が出てこなかった。

全てを伝えよう。そう意気込んでここまで来たのに。

なんと言ったらいいのか・・・




繋心は立ち上がり、の前に立つ。



は小刻みに震えている。



突然家に来たことを怒っているのか。

それとも2か月も会いに来なかったことを怒っているのか。

思い当たる節が多すぎる・・・




ダメだ!これじゃいつもの俺じゃねぇか。

伝えるんだ。言葉で。




「、好きだ。

俺・・・
俺、バレーのことばっか考えてるバレーバカだけど、それと同じくらいの事も考える。

だから 、もう一度付き合ってくれ!」

言葉と同時に頭を下げた。
今、がどういう顔をしているのか分からない。
顔を上げるのが怖かった。




しかし、いつまでもこうしているわけにはいかない。



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