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短編集「めくるめく夜」

第3章 ハイキュー 烏養繋心


「・・・くん、鳥養君。
聞いてましたか?今日の鳥養君ちょっとおかしいですね。
最近練習中でも何か考え込んでいるような時がありますし・・・

私でよかったら何か相談に乗りますよ」

はぁーー。

俺練習中も考えてたのか。
無意識だった。
バレーを1番にするために こんなことになったのに、そのバレーすらちゃんとやれてねぇなんて本末転倒じゃねえか。

繋心はさらに頭を抱え考える。
自分ひとりでもやもやしてるより、誰かに話したほうが何かが変わるかもしれない。

先生、恋愛経験とかなさそうだけど、たまにスゲーいいこと言うし話してみっかな。


「なぁー 先生?
友達の話なんだけど、ちょっと聞いてもらえっか?」


繋心は自身の話ではなく、友達の話として当たり障りのない部分だけを話し始めた。

詳しく話してしまうと繋心だということがばれてしまうし、コーチに勧誘した武田が罪悪感を持ってしまうかもしれない。

最新の注意を払いながら話していく。

最後まで話し終えたころ、武田が口を開いた。


「大体の内容は分かりました。

それで、そのご友人は何に悩んでいるのですか?」


「は?」

繋心は武田の言葉につい変な声が出てしまう。

何にってそりゃ今はなしたことが全てだろ。



「なにって・・・
いやっだから、バ・・・じゃなくて、「趣味」に熱中して 彼女に気使わせて、今度はそれを気にして彼女に連絡もできなくて・・・
会いたいのに、もうほかに好きなやつが出来たかも知れないのが怖くて 会いにも行けない。

・・・・・・それで、どうすればいいのかって・・・」

自分で言っていて本当に情けなくなる。
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