第3章 ハイキュー 烏養繋心
応援に来たいと言ってくれた時も断った。
本当は来てもらいたかった。
烏野の今のプレイを見せたかった。
まだ成長途中のこいつらのプレイを見てほしかった。
でも、俺のバレーに付き合わせることでに我慢させたくはなかった。
俺がわがままでバレーをやっているんだから にもその分自分の好きなことをやってもらいたい。
そう考えた。
次第にメールの回数も減っていき、会う事もなくなっていった。
今の繋心にはバレー以外の話題があまりなかった。
不器用な繋心はバレーの話題を避けるがあまり連絡できなくなっていったのだ。
夏はの仕事が忙しくなること知っていた。
いつもバテバテで帰ってきては そのまま寝てしまう。
電話で起こしてしまうのではないか、突然会いたいと言ったら仕事の邪魔になるのではないか、男のくせに情けないことをウジウジと考えてしまいドツボにはまってしまった。
いつのまにかもう2か月もの顔を見ていない。
遠征がひと段落した今、に会いたくてたまらない。
何をきっかけに連絡をしようか。
そう思っていた時に懐かしい人から電話が来た。
「お前たち、やっと結婚すんのか?
幸せにしてやれよ。
泣かせたら許さねぇがらな!」
高校の先輩だった。
当時、と付き合っていた。
繋心からすると2つ上の先輩だ。
若い時に結婚して、地元に戻り今では子供が3人もいる。
寝耳に水の話だった。
結婚はおろか今は別れの危機だ。
もしかしたら、もうは俺のことなど忘れてしまったのではないか。
もういい人がいるのではないか。
そう考えていたのだから。
「どういうごどっすか?」
もしかして もう別の人と結婚を・・・
4年前に再会した時の場景が目に浮かぶ。
もし、またあの時のように酔いつぶれて誰かに解放されていたら。
もし、子供ができていたら・・・
要らぬ妄想ばかりが膨らんでいく。