第3章 ハイキュー 烏養繋心
そう言った繋心はとても嬉しそうだった。
すごい1年生が入ったこと。
安定した3年生がいること。
新しいおもちゃを買ってもらった子供の用に目を輝かせ、バレー部について熱く語った。
も烏野の卒業生である。
ゴミ捨て場の決選も、元彼がいたこともあり何度も応援に行っていた。
音駒との試合の意義も知っている。
繋心のおじいちゃんの事ももちろん知っているし、尊敬もしている。
母校の活躍は嬉しいことであり、それが自分の「彼氏」の教えだとしたら尚更誇らしい気分になれる。
そう喜んだ。
それから、もう5か月が経とうとしていた。
この間に会ったのと言えば、ゴールデンウィーク明けに一回。
コーチを続けると聞いたとき。
それとテスト期間中で部活が休みになった時だけだ。
他は普段出来ない溜まった仕事をしていたらしい。
メールも1日1回が、2日で1回になり、1週間に1回・・・どんどん減って最後に連絡を取ったのは夏休みに入る前だろうか。
東京に遠征に行くと言っていた。
も夏は仕事が忙しくなる。
出張も増え、休日出勤も当たり前になる。
例年のことだ。
これは繋心も分かっていたから 連絡をよこさないのかもしれない。
実はインターハイ予選の時、差し入れに行こうと繋心に伝えたところ、気が散るから。と断られてしまったのだ。
後輩たちのプレイするところを見たい。
そして、繋心のコーチ姿が見たい。という気持ちは繋心には伝わらなかったようだ。
繋心とすれば、ただ教え子たちにからかわれるのが、気恥ずかしかったのかも知れない。
それ以来、試合や遠征の応援や手伝いに行きたくても遠慮していた。
言い出せなくなっていたのだ。
繋心には繋心のやり方がある。
それを邪魔しちゃいけない。
バレーに集中できる環境を作ってあげたい。
これがの思いであり、自分から連絡する回数も減っていった。