第5章 それは、大きな塔だった。
目が覚めてから数日が経って、俺はギルドに戻った。
ルーシィ達は先に戻っていたようで、シロに泣きつかれた。
シロ「レンのバカぁぁぁぁあっ・・・!」
俺「ごめんねーシロ。シロは怪我ない?」
シロ「あるわけないじゃんかぁ・・・!」
そうしているとこちらに気付いたらしいナツくん達が飛んできた。比喩ではない。本当に凄い勢いでこちらに飛んできたのだ。
ナツ「レンーーーーっ!!」
最初に飛んできたのはナツくん。シロの身の危険を感じてハッピーに預けた直後に凄い勢いで正面から抱きつかれた。
グレイ「あ!テメェナツ!!!そんな勢いよくぶつかったらレンの怪我に響くだろ!!」
そう言いながらナツくんを引っ張っているグレイくん。だがナツくんは俺から離れる気配がない。
ルーシィ「お兄ちゃん!お帰りなさい!!ナツ!お兄ちゃん占領するのやめてよ!!」
そう言ってグレイくんと一緒にナツくんを引っ張っているルーシィ。それなのに離れる気配がないナツくん凄いな・・。
ジュビア「レンさん!!ジュビア、妖精の尻尾に入りました!!これから宜しくお願いします!!」
そう言いながら腕にくっついているのはジュビア。・・どうやらマカロフに許可が貰えたらしい。
エルザ「・・・レン、お前にも多大なる迷惑をかけてしまったな・・。すまなかった。」
苦笑いしながら俺を出迎えてくれたエルザ。
俺「・・・シモンの事・・本当にすまない・・・。」
エルザ「レンのせいではない。」
俺「けど・・・!」
エルザ「・・・気を負う必要はない。シモンはきっと、そんなことを望んでいないだろう。」
俺「・・それでも、俺のせいで・・・。」
エルザ「レンのせいではない。・・私達は、レンのおかげで今ここにいれるのだから。・・レンがいなかったら今頃、私達は全滅していた。」
俺「エルザさん・・・。」
エルザ「だから、レンのせいではないのだ。・・いいな?」
俺「・・・わかった。」
どうしても腑に落ちなかったが、はいという選択肢しかきっとエルザさんは要求していないのだろう。いや、間違いなくそうだろう。