第5章 それは、大きな塔だった。
頭がすごい揺れている感覚がして、気持ち悪くなって目を覚ませば、目の前にナツくんの顔があった。
俺「・・・あれ?ナツくん・・外に出たんじゃなかったっけ・・?」
ナツ「そんな事より!何でレンが此処にいるんだよ!?」
俺「・・・言っただろう・・?また後でって。」
どうやらナツくんはまだ外に出ていなかったらしい。これは想定外だ。
俺「・・・エルザさんは?」
ナツ「さっき気絶させた。」
俺「何爽やかに言ってんの。・・・ジェラールと戦うんだろ。行って来い。しばらく魔力ねぇから。」
ナツ「!おぅ!!」
とりあえずエルザさんを抱きかかえて攻撃の加わらなさそうな場所に移動する。ナツくん、結構攻撃激しいからねー・・・。
激しくぶつかりあってる音が聞こえる。
・・・心配かどうかと聞かれたらそりゃあもちろん心配にはなるわけで。・・でも、ナツくんなら大丈夫だよね。
なんて思ってたら物凄い嫌な感じの膨大な魔力を感じた。嫌な予感がして後ろを振り向けば、エルザさんはいなかった。まだ回復が終わってないけど走った。止めないといけないと思った。
ジェラール「天体魔法、アルテアリス!!」
ナツ「エルザぁぁぁあああっ!!」
俺「天を測り 天を開き あまねく全ての星々
その輝きをもって 我に姿を示せ テトラビブロスよ
我は星々の支配者 アスペクトは完全なり
荒ぶる門を解放せよ・・・。」
誰かがエルザさんの前に立ちはだかる。それでも俺はその人の前に立った。
俺「全天88星・・・光る! ウラノ・メトリア!!」
辺り一面が光って、大音量の爆発音が響き渡った。
煙が薄くなってきて、ジェラールの姿を確認出来た。
俺「・・・多少の怪我だけ、か。」
ジェラール「・・貴様・・・っ!!」
俺「・・・おい、俺の後ろにいる奴。」
シモン「・・・!」
俺「命は1つだ。己を犠牲にしようとするな。お前が死ねば、悲しむ人間だっているだろう。」
エルザ「レン・・・。」
俺「・・・ナツくん。」
ナツ「・・・何だ?」
俺「・・・ジェラールに、勝て。」
ナツ「・・・当たり前だ!!!」
ナツくんはジェラールに向かって行った。