第5章 それは、大きな塔だった。
とりあえずやってきました楽園の塔。てっぺんのそのまたてっぺんに立ってるよ。
俺「ったく・・・やっぱりヤジマさんはいい人だなー。エーテリオン投下決定の事教えてくれるなんて。」
呑気にそんな事を考えていたからだろう。油断していた。足を何かに引っ張られた。
俺「っ!!?」
どぉんっ!とすごい音を鳴らして床に激突した。・・・頭打ったみたいでクラクラする・・。
「・・・まさかお前が来るとはな。」
俺「・・・あぁ・・お前がジェラール・・・って奴か。」
打ちどころ悪かったのか頭から出血もしてる。これは、ヤベェ。戦ってる最中に出血多量でしぬ。
ジェラール「・・・お前を待っていた。絶対神。」
そう言ってジェラールは割れ物を触るかのようにそっと俺を抱き寄せた。・・・抱き寄せた・・?
俺「な・・にやってんだよ・・・!?」
ジェラール「ずっと、この目で本物を拝んでみたいと思っていた。絶対神・・・いや、レン・ディオグランツ。」
・・・やっぱりコイツ・・!
俺「・・・思念体、だったんだな。」
ジェラール「・・やはり気付かれていたか。」
俺「双子で顔そのままとか・・・疑うだろ、普通。」
ジェラール「・・・フッ。やはり面白い。」
俺「離せ・・・!」
ジェラールくんは離してくれるつもりはないらしい。・・・何なんだまったく。
俺「ジェラールくん、離してくれ。」
ジェラール「!・・・はははっ!!」
俺「・・・何で笑ってんだよ・・。」
ジェラール「別に呼び捨てで構わないぞ。」
俺「・・・ジェラール。」
ジェラール「・・・すまない、レン。」
・・・あれ・・?急に意識が・・・。
俺の意識は、俺の意思とは裏腹に奥深くに沈んでいった・・・。
紅い髪を視界のすみにいれたまま・・・