第3章 その名は、妖精の尻尾。
応接室でしばらく待っていると、ジュードが来た。うわっ老けてる!・・・いや、普通か。
ジュード「久しぶりだな、レン。ここに来たのは・・・10年ぶりか。」
10年!?そんなにここ来てなかったのか!?そりゃあ・・・ルーシィも忘れるな。それに、シロはまだ生まれてねぇ。
俺「・・・そうだな。それにしても相変わらず大きい庭だ。かなり時間を要した。」
ジュード「すまんな。仕事で手がいっぱいで、お前が来たのに気付いたのもついさっきだったんだ。」
随分忙しいらしい・・・。金持ちなのに大変だな・・って・・あぁ・・・なんかこの家の事思いだしてきた・・・。
俺「・・・なぁ、ジュード。なぜ、幽鬼の支配者に依頼した?」
そう、ずっと引っかかってた。終わったらルーシィの家に行かないと、なんてずっと頭にあって、何で思ってたのか。どうしてルーシィを他のナツくん達と違って名前で呼んでたのか。
ルーシィの家族も家の事も知ってたからなんだ。
ジュード「・・・ギルドは依頼を受けるだろう?それがたまたま幽鬼の支配者だっただけだ。」
俺「いいや、違うね。ジュードはルーシィが妖精の尻尾に所属してる事を知った上で幽鬼の支配者に依頼した。・・・ジュード、ルーシィは道具じゃないんだぞ。」
・・・あぁ、そうだった。
ジュード「道具じゃない事くらい知っている。婚約相手が決まったから連れ戻す。それだけだ。」
俺「・・・そんなの、間違ってるぞ。」
ジュード「・・・何だと?」
ジュードは、変わっちゃったんだ。
俺「いいか?結婚相手なんてものは結婚する本人が決めるんだよ!!それが親でも勝手に決めちゃいけねぇんだよ!!しかも家出中の娘だぞ!?婚約だの仕事だのする前に、自分の大事な娘を自分の足で探すくらいしたらどうなんだよ!!」
ジュードが驚いたみたいに目を大きく広げてこっち見てるけど、そんなのがどうでもいいと思えるくらい、今感情が爆発してる。
俺「いくら自分の子供だからって、干渉していいとことダメなとこがある!!それなのに、ジュードはダメな部分に土足で踏み込んでんだよ!!・・・家出したのはそのせいじゃないんだろうけど、そんな婚約話なんかルーシィにさせないからな!!」
俺はルーシィの母親か。なんて思いながらしばらく俺はジュードに俺の思いをぶちまけた。