第1章 それは、突然だった。
とりあえず、進むことを決めて歩き出した。
「~~~っ!!」
・・・近くの森で何かが騒いでいるのだろうか?その割に上空から聞こえてくるような・・・。気のせいだろうか?
「レン~~~~っ!!」
・・・気のせいではなかったらしい。しかも俺の名前を呼んでいる。
上を見れば、こっちに飛んできている白いネコ。・・・このネコ、どこかで見た事あるような・・いや、見た事があるから名前を呼んでいるのか。
とりあえずその飛んできたネコを抱き止める。
ネコ「よかったぁ~・・・レンを見つけられて・・・!!」
・・・かなりホッと落ち着かれた。落ち着かれるのはいいんだが・・・。
俺「・・・なぁ、ネコ。君の名前は?」
・・・仕方ない、よな。何でか記憶が断片的にしかないし。
ネコ「・・・レン、ボクの事わからない・・?」
凄く悲しそうな顔をされた。・・・どうしよう・・。
俺「・・・ごめん、記憶が曖昧で・・。」
あ、でもこの子は俺の事分かるなら俺が今まで何してたのか分かるんじゃあ・・・!
ネコ「・・・レンも?困ったなぁ・・・ボクもなんだ。」
俺「・・・はぃ?」
ネコ「ボク、レンの名前と見た目、ボクの名前と飛び方しか完璧に覚えてないんだ!・・・だから、レンを探してボクの事教えてもらおうって・・。」
どうやら、手がかりにはならなさそうだ。