第3章 その名は、妖精の尻尾。
ガジル「なぁ、レン。」
俺「・・・何だよ。暇だから攻撃させろって?」
ガジル「ちげぇ。・・・これが終わったら、お前はここを去るんだろ?」
俺「・・・ホントは、ジョゼをぶっ飛ばしてから出て行こうと思ったんだけど、ガジルに邪魔されたからね。」
ガジル「・・・お前、アイツらのマスターと知り合いか?」
俺「・・・アイツら?」
ガジル「妖精の尻尾だよ。アリアが言ってたぜ。お前の姿を見てあっちのマスターは動揺してたって。」
俺「・・・さぁ。知らない。」
シロ「・・・ケホッ・・。」
俺「!シロっ!!」
シロ「・・・レン!」
シロが、フラフラになりながら俺の膝に座りこんだ。
俺「・・・ごめん、シロ。こんなに傷作らせて・・。」
シロ「ううん・・・あのね、ボクね、ルーシィとロキを守れたよ・・・!」
そう言って笑うシロは、綺麗で、儚かった。
ガジル「・・・おい、ネコ。」
シロ「・・・何?」
ガジル「お前・・・戦える事を何故黙ってた。」
シロ「・・・ボクは、守りたかっただけ。」
俺「シロ・・・。」
ガジル「・・・気にくわねぇ・・。」ヒュッ!
俺「!シロっ!!」
次の瞬間、俺は壁にめりこんでた。それに気付いてからようやく、あぁ、ガジルに殴られたんだと気付いた。
シロ「レン!!」
ガジル「・・・ネコも、レンも気にくわねぇ。」
「よせよガジル・・・!!それ以上やったらレン死んじまうぞ!!」
ガジル「もし死んだら・・・お前が動力源になればいいだけだろ?ギヒッ!」
・・・俺、死んじゃうのかな・・。記憶が曖昧なまま死ぬなんて嫌だなぁ・・。
『良いか、レン。お主はそう思ってないかもしれんが、ワシにとってお主はワシの子供じゃ。』
『ワシは妖精の尻尾のマスターをしておるがのぅ、妖精の尻尾は仲間を大事にするギルドじゃ!』
『もし仲間になにかあれば、全員で敵を叩きのめす!・・・これが、妖精の尻尾じゃ。まぁ、元気なのが多くて少し困ってはおるがのぅ・・・ハッハッハッ!』
・・・あぁ、そうだった。
俺「妖精の尻尾は・・凄いギルドなんだった・・・。」
ドォンッと爆発音がする。
煙が晴れてそこに立っていたのは
炎を纏ったナツだった。