第3章 その名は、妖精の尻尾。
ルーシィside――――――
シロが叫んだ途端、アタシの目の前にいたはずのガジルが急にいなくなった。・・・いや、吹っ飛ばされて壁に激突していた。
ルーシィ「・・・シロ・・?」
アタシ、シロに助けられた・・・?
シロ「・・・ルーシィ!飛ぶよ!!」
シロは羽を生やしてアタシを掴んで倉庫の外に飛び出した。
ルーシィ「シロっ!?」
シロ「・・・いい?ルーシィ。もしボクから離れてもボクを探さずに幽鬼の支配者から逃げて。隠れるんだよ。」
ルーシィ「何を言って・・・!?」
シロ「絶対だよ。・・・貴女のギルドだったら、そこに逃げ込んだって構わないけど・・。」
ルーシィ「シロ!!」
シロ「大丈夫だよ、ルーシィ。だってボクは・・。」
その続きの言葉は聞けなかった。
シロ目掛けてガジルの腕が伸びてきて、シロはアタシを手放してしまった。
ルーシィ「シロぉぉぉおおぉぉっ!!!」
シロ「・・・ルーシィ!絶対に逃げてね!」
シロは、綺麗な白い毛並みを赤く染めたままガジルの方へと飛んで行ってしまった・・・。
アタシは飛べないからそのまま植木に落ちた。
ルーシィ「・・・絶対に、捕まってやるもんですか!!」
アタシは出来るだけ人の多い道を通って、ギルドへ走って行った。