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輝やく闇【男主】

第10章 それは、雨の日の事。




エルザ「・・・。」


何を思ったのか、エルザは普段の格好に戻った。


シルビア「・・・降参?」
エルザ「・・・少し、熱くなりすぎたようだ。」
ルーシィ「?エルザ??」
エルザ「聞こうと思っていた事を聞きそびれていたのでな。」
シルビア「あら。何かしら?」
エルザ「どうしてそこまでして不老不死を辞めたいのだ?」


シルビアは、目を開いて止まった。


エルザ「生きる事に絶望しているようにも、死にたいようにも見えない。・・・何故だ?」

シルビア「・・・だから嫌いなのよ。妖精の尻尾は。」
ルーシィ「・・・?シルビア??」
シルビア「核心をつくのが上手ね。・・嫌なのよ。」


エルザ「・・・嫌?」
シルビア「大切な人がどんどん死んで・・・でも、自分は死ぬ事はないからいつもいつも置いて行かれる!!どんなに瀕死の怪我を負っても死ぬ事はない!周りの人間はどんどんいなくなって行くのに・・・っ!自分だけが生き残る!!・・・生き続けるせいで、ここが、どんどん空っぽになって行くのよ・・・!」


シルビアは、自分の左胸をおさえつけながら、泣いていた。


ルーシィ「・・・。(そっか。)」

悲しかったんだ、シルビアは。大切な人達を失って・・・でも、自分は同じ所へ行けないから・・。



シルビア「僕は・・・僕は、ただ・・皆と一緒でありたかったのに・・!いつの間にか・・僕は何処へ行っても一人になった。何処へ行っても讃えられて、祀られる。友達になってくれるような人は・・誰もいなかったわ。」
エルザ「・・・リヒトやレンには・・会わなかったのか?」
シルビア「会えるわけないわ・・・。不老不死になって、城を壊し回ったその後に、私は城を飛び出して行ったの。・・・それ以来、兄様達には会ってなかったわ。」
ルーシィ「・・・それじゃあ、お兄ちゃんと旅をしてたっていうのは・・ウソ・・・?」
シルビア「・・・そうよ。レン兄様が記憶を失ったのを利用しただけ。・・・兄様には、10年前に一度だけ会って以来だった。」

ウェンディ「・・・記憶を・・失った・・?」
シルビア「・・・たまたま森の近くで見つけたレン兄様には、記憶がなかったわ。」

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