第10章 それは、雨の日の事。
ジェラール「シルビアと、戦っちゃダメだ。」
エルザ「ジェラール・・・?」
シルビア「ジェラール、いいわ。」
ジェラール「!しかし・・・!」
シルビア「・・・貴方は、やっぱりいい人ね。(微笑」
シルビアはジェラールの頭を撫でた。
シルビア「・・・少し、眠っていなさい。」
シルビアがそう言うと、ジェラールの身体がぐらりと傾く。
エルザ「ジェラール!!」
シルビア「平気よ。眠らせただけだもの。」
そっとジェラールを芝生の上に寝かせて自分の着ていた上着をジェラールにかけるシルビア。
ウェンディ「シルビアさん・・・。」
シルビア「さて、始めましょうか。」
すくっと立ちあがり、エルザの方を見るシルビア。
エルザ「・・・さっきのジェラールの対応は・・どういう事だ?洗脳でもしているのか?」
シルビア「・・・さぁ?どうでしょうね??僕は言ったよ。・・返してほしければ奪え・・ってね。」
エルザ「・・・換装!!天輪・循環の剣!!」
シルビア「水流昇霞。」
シャルル「!水流で剣をはじいた!?」
エルザ「換装!海王の鎧!!」
シルビア「・・・。」
エルザ「この鎧は耐水性だ。どうする!」
エルザはそのまま勢いよくシルビアに突っ込んで行く。
そんなエルザに、シルビアはまっすぐ右手を伸ばして言った。
シルビア「白魔法、一本槍。」
エルザ「っ!!」
エルザは咄嗟に軌道を変え、何とかシルビアの魔法を避けた。
シルビア「よく避けたわね。これ、当たってたら今頃お腹には風穴あいてたわよ。」
エルザ「・・・!!」
シルビア「それにしても・・・懐かしい物ばかり見せてくれるわね。」
シャルル「・・・?懐かしい物?」
シルビア「その鎧たち、昔の私が考案したのよ。」
エルザ「・・・何だと・・!?」
ウェンディ「・・・それじゃあ・・!」
シルビア「弱点くらい、お見通しってわけ。」
エルザ「・・・白の魔女はお前だったのか・・。」
ウェンディ「?白の魔女??」
シャルル「・・・その昔、大陸中に名を馳せた3人の魔法使いがいたのよ。その魔法使い達を敵に回せば最後。国1つ余裕で壊せるような力を持っていたらしいわ。黒の魔導士、紅の魔女・・・そして、白の魔女。」
ウェンディ「それが・・シルビアさん・・・!」
シルビア「その名は懐かしいわね。もう呼ばれない名だわ。」