第10章 それは、雨の日の事。
ナツ「ったく!この城広くねぇか!?」
ハッピー「あい!お城だからね!!」
ナツ「それにしても・・人がいねぇなー。」
ハッピー「あぃ。廊下走ってるのにメイドさんも誰もいないよ?」
廊下を凄い勢いで走って行くナツとそれについて飛んでいくハッピー。
ハッピー「ところでナツ。」
ナツ「ん?なんだ?ハッピー。」
ハッピー「何処に走ってるの?」
ナツ「人の匂いのする方!」
ハッピー「じゃあ何処に向かってるかはわかんないんだね!!さすがナツ!!」
ナツ「お、あそこの部屋誰かいるぞ!!」
というと、勢いよく部屋の扉を壊して入るナツ。
ハッピー「ナツ!扉壊しちゃダメだよ!!って、リヒトーーーーー!?!?」
リヒト「・・・おや。騒がしいと思ったら君たちか。牢から出てきたのかぃ?」
ナツ「リヒト!今すぐ儀式するのやめろ!!」
リヒトはベッドしかない大きな部屋でベッドに座って本を読んでいた。
リヒト「・・・儀式の件、誰から聞いたのかは気にしないけど・・邪魔はしないでほしいな。」
ナツ「他の儀式、何かなかったのか!?」
リヒト「・・・ない事はなかったんだよ。“ドラゴンがいた頃”はね。」
ナツ「・・・!お前、ドラゴンの事何か知ってるのか・・?」
リヒト「他の人間より知っている・・とは言えるかな。」
ナツ「じゃあ・・・イグニールの事も知ってるか!?」
リヒト「!君が・・・そうか。君がイグニールの子か・・。(微笑」
ナツ「!!知ってんのか!?」
リヒト「懐かしいね・・・。まさかあの頃はイグニールが子を持つとは思ってなかったよ。」
ナツ「イグニールは今、何処にいるんだ!?」
リヒト「・・・それは、俺にも分からないよ。しばらく会っていないからね。」
ナツ「・・・そっか・・。」
リヒトは何処か、嬉しそうな表情を浮かべている。
リヒト「あぁ、話を戻そうか。儀式はやめないよ。」
ナツ「・・・!」
リヒト「僕の、僕たちの悲願なんだ。そう簡単には諦めきれない。」
ナツ「・・・じゃあ、お前をぶっ飛ばせば・・儀式をやめる事は出来るよな?」
リヒト「ふむ・・・そうだね。僕を戦闘不能に出来れば、儀式は今日中には行われない。・・僕と戦うかぃ?」
ナツ「あぁ!儀式は絶対に止める!!」
リヒト「・・その目、いいね。久々の戦闘だから手加減は出来ないよ。」
リヒトは本を閉じ、立ちあがった。