第10章 それは、雨の日の事。
エス「・・・町の皆さんは、シルビア様が帰って来た事に喜んで・・町をあげてのお祝いをしようって、張りきってるんです・・・。だから、私・・・!」
グレイ「・・・それで、皆を守りたいってか?」
エス「私、よく親に内緒で街に行くんです・・。皆さん凄くいい人達ばかりで、いろいろ教えてくれるんです・・・!」
俺「・・・でも、阻止しただけじゃ止まらないぞ。あいつ等。」
エス「・・・え・・。」
俺「別の案、もしくは儀式。用意しないとあいつ等の願いは叶わないわけだし。数十年生きただけの連中がリヒト達に魔法で勝てるとも思わない。」
エス「・・・。」
グレイ「じゃあ、何か別の儀式で、不老不死が解けるのか?」
俺「・・・不老不死になる時点で特別な儀式な訳だし、解除する儀式も限られてるとは思うけど・・。」
グレイ「・・・なぁ、その“不老不死の呪い”ってのだけに魔法は使えないのか?」
エス「・・・!そっか。その呪いだけに通用する魔法を探せば・・・!!」
俺「それも無理だな。時間が経ち過ぎた。」
グレイ「・・・完全に体内で溶け込んでんのか。」
俺「そういう事だ。それに、俺達は普通に攻撃されても死なないし・・戦うなら長引かせないようにしないといけない。」
エス「でも、どうすれば長引かないようになるのですか・・・?」
俺「・・・気絶くらい、するだろ。」
エス「不意をついて攻撃する・・という事ですね。」
グレイ「・・・それまた面倒だな。(呆」