第10章 それは、雨の日の事。

キース「・・・これ以上は私の口からは申し上げる事が出来ません。さぁ、エスポワール様。」
エス「嫌・・・嫌よ！だって・・このままじゃ・・ルーシィ様達にまで迷惑がかかってしまうもの！！」


俺「・・じゃあ仕方ないな。」
グレイ「・・・？レン？」
俺「騒ぎになったりしたら面倒だから、やりたくなかったけど・・・そんな事も言ってられないみたいだし。」
キース「・・・！術式が・・・はがれて・・！？」
俺「術式なんて、俺には無意味だよ。」
グレイ「・・・すげぇ・・。」
キース「レン様・・・。」
俺「悪いな。今の仲間に手を出されて・・黙っていられるほど出来た人間じゃないんでね。」
キース「・・・また、行ってしまわれるのですね・・。」
グレイ「・・・？」

キース「・・私に勝ち目はないでしょう。しかし・・。」
俺「・・・俺と戦うか？」
キース「・・・レン様は、変わられた。」
俺「・・そうかもしれないな。」
キース「・・とても、残念です・・。」



キースはそう言うと、姿を消した・・・。


エス「・・・！消えた！？」
俺「大丈夫。近くにはいない。」
グレイ「それより・・・ルーシィ達に迷惑がかかるってどういう事だ？というより、ルーシィを知ってんのか？」
エス「もちろんです！ルーシィ様は以前、このお城を訪れていらっしゃいますもの！」
俺「ルーシィ達は何処？今の仲間なんだ。」
エス「そうだったのですか・・・！ルーシィ様達は・・牢屋におられます・・。」
俺「・・何が起こるんだ？」
エス「・・・儀式ですわ。呪いを解くための。」
グレイ「・・・それに、何でルーシィ達が関係してんだ？」
エス「・・・呪いを解くための対価は、多くの人間の命でございます。」

俺「・・・儀式を止めないとルーシィ達は死ぬのか。」
エス「その儀式には多くの魔力を使うので、恐らく魔導士なのであれば・・魔力を吸い取られるでしょう。」
グレイ「・・・その牢屋は何処だ？」
エス「牢屋にはとてもじゃありませんが侵入など出来ません・・・！！」
俺「・・・儀式のときには出されるだろ。」
エス「・・・！恐らくは・・。」
俺「・・・じゃあとりあえず出よう。衛兵がやってきたら面倒だ。」
グレイ「だな。」