第10章 それは、雨の日の事。
俺「・・・!」
グレイ「?どうかしたか??」
俺「・・・今、誰かに呼ばれたような・・。」
グレイ「・・・?誰もいねぇぞ??」
俺「・・気のせい、だよな。」
バンッ!!
「・・・レン様!やっと見つけることが出来ましたわ・・!!」
グレイ「・・・誰だ、お前。」
「お願い致します・・・!!みんなを・・・この国の人達を助けて下さい!!こんなことレン様にお願いするのもおこがましいとは存じております・・・ですが、事態は一刻を争います!!お願いします!!」
俺「・・・まって、どういう事?君は誰?」
「あ・・・申し遅れました。私、現ルーナ王国国王の娘、エスポワールと申します。」
グレイ「・・・何で王女がここに?・・そういや、城なのに国王や女王の姿が見当たらないような・・。」
エス「・・・お父様達は今、牢獄にいると思われます・・。」
グレイ「・・・は?王様が!?何で!?」
俺「・・・エルザさん達もそこにいるんじゃないかな。」
エス「・・・他にお仲間がいるのでしたら、恐らく・・・。」
俺「・・・助けてって、言ったね。どういう事?シロ達がしようとしてる事と関係があるの?」
エス「・・・シルビア様達が行おうとしている儀式で・・私たちは・・!!」
「ようやく見つけましたよ、エスポワール様。」
エス「・・・!キース・・!」
キース「・・・さぁ、エスポワール様。今までどこにお隠れになっていたのかは存じ上げませんが参りましょう。リヒト様がお待ちです。」
エス「嫌よ!誰が死にに行くもんですか!!」
キース「抵抗なされるのでしたら・・・力ずくででも連れて行かなければなりませんね。こちらにおられてはレン様が毒されてしまう。」
エス「私は、真実を伝えに来たのよ!それが毒ですって!?」
キース「エスポワール様、お母上たちがどうなっても構わないとおっしゃっているのですね?」
エス「!そ・・・れは・・。」
キース「では、大人しくついてきてくださいますね?」
俺「・・・エスポワールはこの国の王女なんだろ?何でお前はリヒトの言う事を優先するんだ?」
キース「・・・それは、私がリヒト様専属の執事だったからで御座いますよ、レン様。」
グレイ「・・・は?どういう事だ・・・?」