第10章 それは、雨の日の事。
エルザ「永遠の命だと・・・?」
ルーシィ「それって・・・不老不死って事?」
ソーレ「誰もが一度は夢見る不老不死・・・。我らの祖先は、魔力のあるレン様なら可能だと思ったそうだ。・・・そして、人体実験を始めた。」
シャルル「人体実験!?」
ソーレ「当時の国王の許しを得て、実験を始めた我らの祖先はいろんな薬を作り、レン様に投与し続けた・・・。その結果、レン様は精神的に壊れてしまった。」
ウェンディ「そんな・・・っ!!」
ソーレ「それを知った女王は病み・・・亡くなられた。」
エルザ「国王は・・・国王は何をしていたのだ!?」
ソーレ「国王こそが、この実験のリーダーだったのだよ。だから、終わる事はなかった。」
ルーシィ「・・・でもっ!お兄ちゃんは・・・レンはもう実験されなかったのよね!?」
ソーレ「・・・いいや、終わらなかったよ。レン様を窓もない部屋に閉じ込めてね。」
ルーシィ「そんな・・・!」
ソーレ「・・間もなくして、実験は成功した。代償にレン様の心をなくして・・・。」
エルザ「・・・リヒトとシルビアは気付かなかったのか?」
ソーレ「知らなかったものと思われます。研究員が城に出入りしているのも実験も夜。・・・それに、レン様には会うなという国王からの命令もあったのでお二人はレン様に会えなかったのです。」
シャルル「・・・実験が終わった後に、二人は気付いたの?」
ソーレ「はい。お二人とも怒りで我を忘れ、城を全壊させてしまうほどの力で大暴れしたそうです。」
ルーシィ「・・・あの二人なら・・いや、アタシ達でもやりかねないわ・・。」
ソーレ「国王はそんなお二人に・・・改良したレン様に投与したお薬を投与しました。そうして、兄妹全員が不老不死になったのです。」
エルザ「待て。それでは・・・あの二人の今の目的が分からない。」
ソーレ「・・・あの方たちの目的はただ1つ。この“呪い”を解く事にあります。」
ルーシィ「・・・それって、不老不死じゃなくなるって事?でも何で呪い?」
ソーレ「投与した薬には呪術がかかっており、それが体内で溶ける事によって不老不死が完成していたのです。」