第2章 家
「んなっ、忘れるわけないでしょっ!」
流石のあたしもこれだけ質量感あって、圧迫するものを忘れるほどボケちゃいない
「よかったぁ。忘れられてたらどうしようかと思ったよ、僕」
ふにゃりと笑って、春香のかおに近づく
あと数ミリで唇が触れそうなところで
『それにね、窒息しそうな時、春香、僕をキューーって締め付けてるんだよ?』
知らなかったでしょ?
と言いたいだけ言って、唇を塞ぎ、動き出す
ーんなっ。もしかして、そのために人を窒息死寸前まで追い込んでるのか…
混濁気味の思考の中でそんなことを思った