第2章 家
奏のキスはしつこくて長い
息をさせまい、とでも言うように私の唇を塞ぐ
「っっ」
イヤイヤと顔をずらして逃げようとすれば、がっちりと頭を押さえて、極限まで絶対に離そうとはしない彼
ー鼻で息すればいい、って言われたこともあるけれど、できるわけない
「っっ!」
本当にもう無理っ!必死にドンドンと、彼の胸を叩く
ちゅっ、
とリップ音を立ててツーッと糸を引きながらも離れていく彼の唇
あたしの唾液で、怪しく光っている
ゼーハーと、酸素を取り込むあたし
窒息死するかと思った
「春香、知ってた?」
必死に酸素を吸い込み、息を整えるあたしをおかしそうに見ながら、
「僕たち今繋がってるんだよ?」
と。忘れてないよね?っていたずらっぽく笑われる