第3章 ハイキュー 菅原×影山 「バレーバカ」
「まず、初めてのデートだよな?
だったら会話に困ってもいいようにまずは長町モールで映画見て、ランチはララガーデンのハミングバードなっ。で、その後は・・・」
昨日調べてきた情報を元にプランを立てる。
影山は「ハイッ。」と首をこくこくして相槌を打ちながら真剣に聞いている。
本当こういう時は素直だなー。
コートの中にいる時とは別人の、まだ幼さ残る影山の姿。
入学当初から気になっていた女の子。
その子が影山をデートに誘ってくれたそうだ。
女の子に誘われるなんて。
そこは自分で誘えよ!って思うところだけど、だからこそプランは完璧に立ててリードしたいんだそうだ。
普段は部活ばっかりでデートなんてする暇ないもんな。
もし付き合ったらその子に淋しい思いをさせるかもしれない。
そんな影山の気持ちは痛いほど良く分かるよ。
一通り話し終わったところで、思っていたことを口にする。
「なぁ影山。その子はさー俺が立てたプランで楽しんでくれると思うか?」
影山はキョトンと固まった。
今まで饒舌にデートプランを語ってた俺が急にこんなことを言い出すんだから驚いて当たり前か。
「俺が女の子だったら、こんな作られたデートプランじゃなくて、普段の影山を見たいと思うぞ。」
「普段の俺っすか?」
「ああそうだ。影山は休みの日にその娘が何してるのか興味ないか?
今頃何してんのかなー?とか、楽しいこととかあった時に、あの子と一緒にいたかった!とか思ったことない?
たぶんそれってさっ 相手の子も思ってるんじゃないかなーって思うんだよね。
だからさっ」
ガタッ!
言いかけた時、急に影山が立ち上がった。
分かったみたいだな。
「俺・・・、俺、休みの日は仙台市体育館に行って社会人バレーの練習見たりしてるっす。
すごいプレーみたりすると、いやっまぁ翔陽に見せたいって思うときもあるんですけど、その子にも見せたかったなーとか思うこともあって・・・
その子、バレーやってるわけじゃないんですけど、俺のバレーの話、本当に楽しそうに聞いてくれるっす。
だから・・・そこが好きっていうか・・_・」
自分で言って真っ赤になる影山。
本当可愛いな。こいつ。
「クスッ それでいいじゃないか。
影山のそのままを見せたらいいだろう?
映画はこの次だっていいじゃないか。もっと素の影山を知って貰ってからでも。」