第15章 第十五話
「き、木手君…痛いよ…なに、なんなの?私が何をやったって…」
「お前があのSNSに登録したのか?そしてそれをツイートまでしたのか」
「だ、だから、あれは噂だって…木手君も私の事信じてくれるって…」
ぎり、と木手の爪がアザミの肩に食い込む。
肉を引きちぎられそうな勢いに、アザミの目には涙が浮かんだ。
身体の痛みはもちろんだったが、何よりも自分を憎しみの目で睨み付ける木手が何よりもアザミは怖かった。
「聞いたんだよ、お前の友達だった奴らから。全部お前1人でやったことだと」
「はぁ?そんなの、信じるの?私が違うって言ってんのに…!」
「じゃあ、携帯を見せてみろ」
「携帯?なんで…」
「やっていないと言うなら、見せられるだろう」
「…分かったわよ」
木手が自分の携帯を見たところで、書き込みの証拠を見つけられるとはアザミは思っていなかった。
履歴は消してあるからアザミの携帯からSNSに登録したとは分からないはずだ。
警察でもあるまいし、どの携帯から登録したとか、書きこんだとか、そんなことが木手に分かるはずもない、とアザミは高をくくっていた。
受け取ったアザミの携帯をいじって、木手は写真フォルダーを表示させ、ざっと中を調べた。
フォルダーの中の一枚の写真を表示させて、木手は動きを止めた。
「これは、何だ?」
「…、それ、は…」
画面に映し出されていたのは、アザミがSNSに登録した際に作った、如月のプロフィール用の顔写真だった。
「なんであのSNSのプロフィールと全く同じ写真があるんです?」
「…さ、さぁ…たまたまじゃない?」
「この写真をお前が作ったところ、見ているやつが3人もいるんだがな。どう弁明するつもりだ?」