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純情エゴイスト(比嘉/知念夢)

第14章 第十四話


「…このSNSに登録したのは明らかに美鈴ではないでしょう。美鈴を騙った誰か、ということになりますね」
「…今回の事件、これが原因ってことはないか?」

「断定はできませんが…ここまで詳細に個人情報が書いてあれば、鵜呑みにして実行する馬鹿がいても可笑しくはありませんね。顔写真も鮮明ですし、制服で比嘉中の生徒だとすぐに分かる。
美鈴を特定するのもそう難しくはないでしょう。…このことを、美鈴の親御さんに知らせるべきです」
「そうだな」

知念は木手からスマホを受け取ると、すぐに実家に電話を入れ、事の次第を母親に伝えた。
母親を介して、如月の両親へこのことが伝えられることになった。
一度切れた電話だったが、すぐに折り返し電話がかかってきた。
ディスプレイに表示された電話番号に知念は見覚えがなかったが、通話ボタンを押して電話口に出た。

「もしもし」
「…知念、寛君?」
「はい、そうですが」

どこか聞いたことのある声に、知念は記憶を巡らせた。

「私、如月美鈴の母です。知念君が教えてくれたことについて詳しい話が聞きたいんだけど…」
「俺で分かることだったら何でも話します」
「ありがとう。今どこにいるかな?時間があれば会って話したいの」
「ええと、今…」

如月のいる病院の近くのファミレスだと告げると、すぐにそちらに向かうと告げられた。
向かいで何事かと知念を見つめる木手に事情を説明し、共に如月の母を待つことにした。

息をきらして現れた如月の母は、如月にとてもよく似ていた。
将来はきっとこの母のようになるのだろう、と知念は如月の未来の姿を母に見ていた。

「…あら?永四郎君もいたのね」
「ご無沙汰してます」

礼儀正しく木手が如月の母にお辞儀をして、彼女の椅子をひいた。
ありがとう、と答えて静かに腰をおろすと、早速如月の母は先ほどのサイトのことや如月にまつわるツイートについて二人に尋ねた。
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