第6章 第六話
いつまでも彼に隠し通せるわけでもないし、そんな不誠実な気持ちのまま付き合いを続けてもしようがない。
早いうちに木手に打ち明けなければ、そう如月は思っていた。
早乙女と木手がしばらく睨み合った後、早乙女が場を立ち去って行き、顔を見合わせる木手と知念の姿があった。
二人はあまりお互いにべらべら喋ったり、べったりした付き合いではないが、ほどよい友人関係を築いているように如月の目にはうつっていた。
そんな二人の間で自分が揺れてしまっては、彼らの間に溝をつくることになるかもしれない。
けれどこのまま宙ぶらりんな気持ちのまま木手と付き合うこともできない。
誰も傷つかずに済む方法があればいいのに――、そんな魔法はないことは重々承知しておきながら如月は考えずにはいられなかった。