第4章 第四話
「お前もここじゃないところにいた方がいいかもな…」
そもそも知念がこの仔猫を家に連れて帰った当初は、引き取り手が見つかるまで一時的に預かるだけのつもりだった。
けれどあまりにも仔猫が可愛かったのと、如月が毎日家に来てくれるのが嬉しくて、知念は貰い手を積極的に探そうとしていなかった。
しかし、もうそうも言っていられない状況になった。
如月の心の内はいまだに知念にはよく分からないが、このままずるずると家にあげていては、またいつ今日と同じようなことが起きるか分からない。
いつか自分は木手を裏切ってしまうだろう――如月を自分の物にしてしまうだろう。
もうこの関係は限界なのだ。
微妙な関係に終止符を打つべく、知念は覚悟を決めた。