第20章 第二十話
如月の言葉は、まるで知念に別れを告げているようだった。
もうこれで最後なのだと言われているようで、知念の胸はぎゅっと苦しくなった。
柊と別れれば、如月は自分と付き合ってくれるだろうか。
仮にも彼女として付き合ってきた柊に対してあまりにも薄情だとは知念自身も思ったものの、奇跡的に再開を果たした如月を手放したくないとも思っていた。
「俺は……」
「……ごめん、もう行くね。…うち、まだ試合あるから」
言うなり駆け出して行った如月を、知念は追いかけなかった。遠くなっていく如月の背中をただじっと見つめていた。