第6章 5月の空。
昼休み。
いつものように、頼子と弁当を食べていた。
今日は、天気がいいので屋上で食べる事にした。
天気や気分により、場所は変わる。そして、たまに
宮地先輩達と遭遇する。
ガチャン、と扉を開ける。
すうっと風が吹き込む。授業での疲れが軽くなるような、心地よい風だ。
今日の朝と同じ、5月の風。
頼子「5月って気持ちいいよねー!」
頼子は、楽しそうに笑う。
優奈「私もそう思うよ。暖かさと涼しさがまじってちょうどいい
のに、澄んでてさ」
言いながら、座る場所を探す。
頼子「あ、あのベンチどう?」
頼子が指差したのは、一番街側のベンチ。景色も良さそうだ。
優奈「いいね。あそこで食べよう」
この時の私達は、気づいていなかった。
扉の上……。昼寝をしても見つからないような所。
そこに、思わぬ先客がいることに。