第6章 5月の空。
「……全く、うるせえヤツだな」
優奈「え?」
明らかに男性の声。呆れたような言い方だ。昼寝でもしていて、
私達が邪魔になってしまっていたのだろうか。
でもあの声……どこかで聞いたような。
「俺だよ、俺」
目の前に、スタッと何かが落ちてきた。
優奈「みっ、宮地先輩!」
落ちてきた……いや、降りてきたのは、宮地先輩だった。
優奈「なんであんな所にいたんですか!?」
宮地「あ?昼寝だよ昼寝」
面倒くさそうに答えると、うーんと伸びをした。
宮地「それより、昼飯まだなんだろ?早くしねーと、昼休み終わるぞ」
チラリと時計に目をやると、宮地先輩は行ってしまった。
ガチャン、と扉の閉まる音が響き渡る。
頼子「……お弁当、食べようか」
優奈「そうだね」
私達は、さっき決めたベンチへ歩き出した。