第3章 第一歩!
優奈「ね!?ひどいと思わない!?」
頼子「うーん……でもまあ、宮地先輩だし」
休憩中、マネージャーで親友の、頼子に愚痴を
言っていた。
優奈「宮地先輩だから、ってなに!?…ちょっと、
私の分のドリンク少なくない!?」
頼子「わずかな悪意によるものです」
優奈「いきなり事務的な口調になるなよ!」
頼子「あはは、冗談だって…はい、ドリンク」
優奈「ありがと」
ドリンクを一口、口に含む。疲れて火照った体に、程よい甘みと
冷たさが心地よい。
頼子「好きな子ほど無視したりしちゃうじゃん」
あまりに唐突な一言に、私はドリンクを吹いてしまった。
優奈「ゴホッ、ゴホッ…え、じゃあ何、宮地先輩が
私を好きって?」
頼子「さあ……?」
頼子は、ただ微笑むだけだった。
私には、それが何を意味するか分からなかった。