第3章 お前がいない世界を体験してみた
「名前ー!」
どこからか声がすると思ったら、後方から我等がディセンダー・ケントがやって来た。
「名前、近くの森でモンスターが暴れてるんだって。良かったら、一緒に討伐してくれないかな?」
「あぁ、いいぞ」
ケントがドープルーンに来たのは、一カ月前だった。
だが、あたしはこの前まで怪我の治療をしていたから、任務を共にこなすようになったのはつい最近だ。
あれ?何であたしは怪我したんだっけ?
そう思っていると、横からケントが話し掛けてきた。
「ねぇねぇ名前。双剣士って、ホントに攻撃力二倍になるの?」
「んー、二倍にはならんな。攻撃力よりも、防御力が多少高くなるって聞いたが」
「へー、そうなんだ!」
誰だよ変な知識植えつけたの。
多分、これはロイドからの情報だな。
「まぁ、剣と盾持ってた奴が、盾の代わりにダガーとか短剣持つようになったのは聞いた事があるけどな」
「そんな人もいるんだな!凄いな!」
ん?誰だ、それは。
思い出せない。
その後も、そいつを思い出せなかったが、とりあえず、ケントとそのままモンスターを倒しに行く事にした。