第3章 お前がいない世界を体験してみた
次に眼が覚めたら、カイルが泣きながら抱きついてきた。
「良かった!一生名前が目が覚めないかと思った!」
「痛いカイル。とりあえず離れろ」
「あ、ゴメン!」
辺りを見回すと、リアラやロニ、ナナリーにハロルドと、あたしの仲間たちが勢ぞろいだった。
「名前、ホントにゴメン!俺がそのままハロルドの実験台になっていれば、こんな事にならなかったのに!」
「別にいいって。お前に何かあったら、スタンやルーティに頭上がらなくなるからな」
「いやー、あんな結果になるとは思わなかったわ。まぁ、その代わりに新しいデータが取れたけど」
「お前はもう少し反省しろよハロルド!」
「そうだよ!反省くらい、アホなロニでも出来るよ!」
「ナナリー、俺をそんなにアホだと思ってたのか……?」
そうだ、カイルがハロルドの実験台にされそうになって、あたしが代わりに実験台になったんだ。
で、そのまま気絶しちまったんだ。
みんなとの会話を聞きながら情報を整理していたが、このままじゃ、ロニとナナリーが全面戦争になりかねない。
とりあえず、咳払いをしてリアラを見た。
「回復してくれたのはリアラとハロルドだろ?サンキューな」
「ううん、私は大丈夫。それよりも、心配するカイルを正直見てられなかったわ」
「うっ、すっごく申し訳ない…… 」
「カイルは確かに心配しすぎだな。後、ハロルドは回復してくれたからプラマイ0って事で」
「さっすが名前!話分かるわね!」
「「元々の元凶はお前だろ!!」」
まぁ、そんなこんなで賑やかなパーティだが、もう少しで、フォルトゥナとの決戦だ。
この戦いが終わったら、世界はどうなるのだろう。
というか、何であたしはここにいるんだ?
最後は、フォルトゥナ側につく予定じゃなかったか?
でも、フォルトゥナ側につく理由も思い出せねー。
まぁ、いいか。