第10章 高尾和成編
今日は雨がザアザアと降り注ぐ。
秀徳高校の体育館は、バッシュが床を擦る音、バスケットボールの跳ねる音、選手たちの掛け声で響いていた。
―そのころ私は、風邪をひいて家にいた。
明日大切な試合なのにマネジャーが不在となると、とても心配になる。
朝、高尾くんが私の家まで来てくれたのだけど、ふらふらで玄関に出た。
「ちょ、アリサちゃん!?
どうしたんだよ。」
風邪をひいて……
高尾くん、わざわざ家まで来てくれたのにごめんね
私はふらふらしながら高尾くんを見送った。
今日に限って家族が旅行で居ないから、私は家にある風邪薬を飲んで寝ていた。
ピンポーン。
あ、チャイムがなってる。
私は玄関の鍵をあけてみる。
そしてドアを開けると……
「アリサちゃん、大丈夫か?」
高尾くんだった。
玄関に入ってくるなり、ふらふらな私をお姫様抱っこして、2階にあがっていく。
「わざわざ、お迎えごくろーさん。
とりあえず、2階に連れて行くわ~。
アリサちゃんの部屋は何処かなぁ。」
私は顔を真っ赤にさせた。
頭ぐしゃぐしゃだし、パジャマ姿なのに、ためらわない高尾くんが……
「なぁに?
俺に見とれてた?」
べっ別に……////
私を抱っこして2階にあがる高尾くんは、私の部屋に入り、やっぱ女の子の部屋だなって微笑んだ。
ドキドキしてる、頭がどうにかなりそう……。
私は高尾くんにベットまで運ばれて、布団に寝かしつけられた。
「いつも1人でがんばり過ぎなんじゃない?
いざって時に、アリサちゃんが倒れちゃうとさ、力が出ねぇよ。」
高尾くんの手が私のでこを撫でる。
ひんやりしてて気持ちいい。
私はふらふらしながら言った。
高尾くん、ごめんね……
大事な時に倒れちゃって。
「そんなに謝るなって……」
高尾くんの顔が次第に近くなり……
チュッ
私の唇は高尾くんに奪われた。
「俺さ、アリサちゃんが好きだから。
まさか、告白がこんな形になるとは思ってなかったけど。笑」
私も高尾くんが大好きだよ。///
試合絶対応援するから……
今度は彼女としてね///
私がそういうと、高尾くんは照れて言った。
「はやく治してくれよな!!」